サッカーの新しい楽しみ方として誕生した「フリースタイルフットボール」。その歴史はまだ浅く、2000年を過ぎてから普及してきましたが、今では世界中で競技者が増えているスポーツです。
日本では、2007年に「日本フリースタイルフットボール協会」が設立され、プレイヤーの質・地位の向上や国内外への浸透に向けての活動が行われています。
今回は、クールなスポーツ「フリースタイルフットボール」をご紹介しましょう。
サッカーの概念を打ち破るアクロバティックな技もOK!フリースタイルフットボールの魅力
フリースタイルフットボールは、サッカーの基礎スキルである「リフティング」や「ドリブル」を軸にパフォーマンスを繰り広げるスポーツです。立った状態で足技を行う「エアムーブ」、座った状態でボールを扱う「シッティングムーブ」、上半身でボールを扱う「アッパームーブ」、地面にボールが着いたまま扱う「グランドムーブ」などのカテゴリーに分かれていますが、現在もなお派生し続けています。
パフォーマンス自体に特に制約は設けられていないため、手を使ったり服の中にボールを入れたりするような、サッカーの概念を打ち破るアクロバティックな技を披露するプレイヤーもいます。
「フリースタイル」という言葉通り、身体とサッカーボールひとつで誰でも自由に表現できることがフリースタイルフットボール最大の魅力なのです。
また、フリースタイルフットボールの大会は、単に技を競い合うのではなく、エンターテイメントの要素が濃いのも特徴のひとつ。音楽とも融合し、文化や芸術といった側面も持つスポーツでもあります。観る側も楽しめるエンターテインメントとして親しまれているのです。
フリースタイルフットボールの7つの主な試合形式
そんなフリースタイルフットボールには、主に以下のような試合形式が採用されています。なお、いずれの試合形式においても、3~5名の審査員の判定により、勝敗が決します。コントロール、クリエイティビティ、ベストトリックなどの採点基準はありますが、ジャッジは基本的に各審査員の主観によって行われます。
1.バトル
1対1の試合形式。制限時間(3分)内で30秒ずつ互いに技を披露し合います。
2.ショーケース
一人ずつ制限時間の中で技を披露します。
3.ダブルルーティン
2対2の試合形式。ペアで協力して繰り出すパフォーマンスが見どころです。
4.sick three
3つのトリックを披露し、その完成度を競います。
5.チャレンジ
お題として提示された技を、最後まで失敗することなく披露できた選手が勝者となる試合形式です。
6.ショーフロウ
制限時間30秒以内で「エアムーブ」「アッパームーブ」「シッティング」の3ジャンルをバランスよく組み込み、その難易度と完成度を競う試合形式です。
7.ビデオコンペティション
パフォーマンス動画を指定された時間内で撮影し、その完成度を競う試合形式です。
これまでにない斬新な技やスタイルを生み出せる可能性も
このように、試合形式や大会によりルールや規定が存在するものの、どのようなパフォーマンスを披露するかはプレイヤー次第。そのため、プレイヤーによってスタイルが全く異なるのもフリースタイルフットボールのおもしろいところです。それに、まだまだ新しいスポーツですので、これまでにない斬新な技やスタイルを生み出す土壌は大いに残っています。
場所はもちろん、プレイヤーの年齢や性別も選ばないフリースタイルフットボールは、生涯スポーツや趣味として長く楽しむことができるでしょう。
監修者:吉田 伊吹