ラグビーで用いられるタックルを安全な「タッチ」に置き換えたスポーツ、それが「タッチラグビー」です。子どもからシニアまで男女問わず楽しむことができ、「誰でも一緒にプレーできる親しみやすさ」が魅力のひとつ。今回は、そんなタッチラグビーのルールをご紹介しましょう。
タッチラグビーって、どんなスポーツ?
タッチラグビーは、2チームに分かれてトライ数を競うスポーツです。フィールドのサイズは横70m×縦50mで、スコアライン上または越えてボールを地面につけた際にトライとなります(1トライにつき1点)。
(出典:タッチラグビー国際協会ルールブック)
フィールド上には各チーム6人の選手が立ち、選手交代は決まった場所からであればいつでも自由に可能(なお、1試合の選手登録は最大14名)。一般的な試合時間は45分間の20分ハーフで行われます。キャプテンのトスにより攻守が決まり、勝ったチームがハーフライン中央からタップ(地面にボールを置き、ほとんど転がらないように軽く蹴って自分でボールを取ること)でスタート。
オフェンス(攻め)側のチームは「選手間でボールを投げる、もしくは手渡す」「ボールを持って走る」「DFに自らタッチをしに行って5m下げさせる」といった方法でスコアラインへ近づきスコアを狙います。ただし、ボールを蹴ってはいけません。また、ボール保持者はタッチをされるまで「走る」または「ボールを横か後方にパスする」ことができますが、ボールを前方へパスするのはNG。「フォワードパス」というペナルティが与えられます。
ディフェンス(守り)側のチームは、スコアラインにオフェンスの選手が近づかないようにボール保持者をタッチすることで守ります。ボールを持ったオフェンスの選手がタッチされたらロールボール(ボールを股下に置いてまたぐこと)に。ディフェンス側が6回タッチすれば、攻守交替となります。なお、オフェンス側のチームがボールを地面に落とした場合も攻守が変わります(その際のスタートはロールボール)。
タッチラグビー最大の特徴「タッチ」は最低限の力で!
タッチラグビー最大の特徴ともいえる「タッチ」は、最低限の力で接触することが公式ルールで義務づけられています。タッチはボール、髪の毛、衣服に触ることによって認められていますが、互いに危険をもたらさないことが鉄則。ラグビーでは当たり前の「タックル」はもってのほか、激しいタッチも禁止されています。
違反を確認された位置からペナルティータップでゲームが再開されます。
スピーディーなゲーム展開と華麗なフットワークやパスワークに注目!
そんなタッチラグビーの魅力は、何と言っても老若男女みんなが一緒にプレーすることができる生涯スポーツであること。親子3世代でファミリースポーツとして楽しむこともできます。
特に子どもにとっては、チームワークから生まれる協調性はもちろんのこと、スポーツマンシップを養うのに最適なスポーツともいえます。というのも、本当にタッチしたのかどうかについては自分にしかわからない局面もあり、誠実さが問われるスポーツだからです。また、タッチという最低限の接触プレーを通じてボディーコントロールが身に付き、前後左右への動きやボールを投げる・捕るといったマルチな運動能力が向上します。
さらに、4年に一度ワールドカップも開催されているタッチラグビーは、世界約50か国で親しまれ、国際交流を実現するコミュニティースポーツとしての期待が今後ますます高まっていくことでしょう。
競技スポーツのタッチラグビーの見所としては、スピーディーなゲーム展開と華麗なフットワークやパスワークに注目。それぞれが自分の役割を考えた組織プレーは圧巻です。
監修者:奈良 秀明